福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 温見断層
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
大野市:温見,能郷白山(242,243,244,268,269,270,292,293,294)
選定理由 典型的な構造地形
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  温見峠を通り,岐阜県根尾村大須付近から福井県池田町野尻付近まで北西―南東方向にのびる全長39 qの左横ずれの活断層である.温見峠付近では能郷白山の花崗閃緑岩の岩体を3 q以上左横ずれに変位させている.濃尾活断層系の主要なメンバーで,1891 年(明治24 年)の濃尾大地震の際には野尻から温見にかけて地震変位が生じている.この時,野尻ではN55 ゜W 方向に亀裂が生じ,北東側隆起の変位が平地に現れた.美濃俣や熊河においても同様な変位が認められている.この断層が雲川を横切る地点において,雲川とその支流である熊河川との間で河川争奪がまさに起きようとしている.旧温見集落が位置する谷地形は典型的な断層谷であり,三角末端面など典型的な断層地形が発達しているので,教育や研究には最適地である.
保護の現状
 と留意点
 濃尾地震の際の変位地形は,その後の洪水等により現在残っていない.しかし,断層地形はこの地域全体に及ぶものであり,失われる心配はない.国道157 号線の道路改良工事により道沿いの露頭は失われつつある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)