福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 中竜のスカルン鉱床
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
和泉村:上大納(168)
選定理由 希少な鉱物・岩石を産出する地点
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  中竜鉱床群は和泉村上大納地区に発達する亜鉛鉱山である.鉱床が形成されている地層は,中部石炭紀ないしペルム紀の藤倉谷層であり,その中の石灰岩が中生代末ないし新生代に石英斑岩が貫入した時に鉱床化(交代)したスカルン鉱床である.鉱床群は南北約400m ,東西約8km の範囲に分布し,鉱化帯の構造は,藤倉谷層の構造に強く規制され,多くは東西走向で南へ急傾斜している.1951 〜82 年の累積総生産量は採掘粗鉱量985 万トン,亜鉛精鉱約99.7 万トン,鉛精鉱約7.1 万トン,銅精鉱約6,268 トン,モリブデン精鉱約71 トンであった.1987 年に閉山されたが,1989 年1 月から「アドベンチャーランド中竜」としてオープンし,坑内の見学ができるようになった.
保護の現状
 と留意点
 地上から120m 下の見学コース(旧坑道)までマイクロバスで降り,採掘現場,スカルン鉱床の露頭,採掘機材を歩いて30 分ほどで見学できる.スカルン鉱床を見ることができる場所は他に県内には存在せず貴重である.また鉱山内の見学ができるところも全国的に見てほとんどない.現在,アドベンチャーランドとして経営されているが,今後とも露頭,坑道の保全を含め,現状の保全が望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)