福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 面谷の鉱床露頭
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
和泉村:面谷(51)
選定理由 その他地質学的に貴重な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  面谷鉱山は和泉村,九頭竜湖南岸の面谷(おもたに)川に懸かる面谷橋上流約3.5 qに位置している.記録によれば,本鉱山の本格的な採掘は三菱鉱業鰍ノより明治21 年に始められ,大正11 年に休山,昭和12 年に大宝鉱業鰍ノより再開し,昭和41 年まで稼鉱された.この間,粗鉱量約41 万トン(Cu 1- 5%,Pb4- 6%,Zn 3- 20%)を産出した.鉱床は面谷流紋岩および平家岳累層凝灰質砂岩,頁岩中に発達した石英,緑泥石脈に伴っている.現在,坑道は崩壊しており,内部に入ることは不可能であるが,面谷川右岸の平家岳累層および面谷流紋岩からなる崖に鉱床の地表露頭が認められる.また周辺の露頭は鉱染により赤褐色を呈し,植生を失っている.
保護の現状
 と留意点
 現在本鉱山は閉山しており,面谷川左岸には選鉱場や製錬所跡等がみられる.本地域には面谷鉱山以外に,長野,野尻,九頭竜鉱山があったが,現在は九頭竜湖底に沈んでおり,見ることはできない.よって本鉱山跡はこの地域の鉱山の歴史や形成環境を知る上でも重要なものであり,かつ鉱床が露出しており,鉱床形成過程を知る上でも重要な露頭である.露頭の維持に配慮することが望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)