| |||
| |||
名 称 |
九頭竜湖北方の林谷安山岩 | ||
---|---|---|---|
学 名 |
− | ||
分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
和泉村:林谷(31) | ||
選定理由 |
その他地質学的に貴重な地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
福井県の東端部,九頭竜湖北側の林谷付近には手取層群,林谷安山岩,および白亜紀後期の面谷流紋岩類が広く分布する.林谷安山岩はかつては新生代の安山岩に含められていたが,面谷流紋岩に覆われる安山岩であることが指摘され,中部地方における白亜紀〜古第三紀火成活動の最初期の活動を知る上で重要な岩体であることが明かとなった.林谷安山岩は手取層群赤岩亜層群および石徹白亜層群を傾斜不整合に覆い,面谷流紋岩に覆われ,30〜45 ゜で北に傾斜している.林谷安山岩は,粗粒の斜長石斑晶に富む単斜輝石斜方輝石安山岩溶岩を主体とし,安山岩火山礫凝灰岩,同凝灰角礫岩,凝灰質砂岩,凝灰質砂岩泥岩互層などの火山性砕屑岩層を基底部と中・上部に4 〜5 枚挟む.層厚は林谷本流域では約1,000m であるが,東方の田茂谷や西方の智奈洞谷にかけて急速にその厚さが減少している.また林谷本流沿いで採取された安山岩試料のK- Ar 年代は,99.4 ±5.0Ma と報告されている.このように,林谷安山岩はこれまでほとんど知られていなかった濃飛流紋岩類噴出前の火山活動を解明する上だけでなく,これまではっきりしなかった手取層群赤岩亜層群の堆積年代が100Ma より古いということを明らかにしていることから地質学上,重要な岩体といえる. | ||
保護の現状 と留意点 |
林谷安山岩は谷沿い,林道沿いに好露頭が見られる.林谷安山岩の分布は広範囲に及んでおり,当面失われる心配は少ない.
| ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |