福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 谷戸口の飛騨片麻岩
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
和泉村:谷戸口(123)
選定理由 その他地質学的に貴重な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  谷戸口(たんとぐち)付近には飛騨片麻岩類が広く分布する.この地域における飛騨片麻岩類はおもに塩基性片麻岩,結晶質石灰岩からなり,角閃岩,泥質片岩等を伴ない,和泉村西部の朝日付近から大野市東部の真名川流域にかけての,東西約12km ,南北約2km の範囲に分布する.周囲の手取層群等とは断層で接し,一部で新第三紀安山岩類に覆われている.片麻岩類の片理の走向は一般に西北西−東南東で,北に急傾斜している.変成岩類の年代ははっきりしないが,先カンブリア紀起源で,中生代に再度変成したと考えられている.谷戸口トンネル付近では黒雲母角閃石片麻岩や角閃岩が露出し,片麻状構造も観察される.またこの付近では泥質片岩が石英長石質片岩や角閃岩と互層して,あるいはレンズ状に挟まれて産出するが,その一部にクロリトイド片岩が見出されている.岩石の組織から判断すると,クロリトイドは後退的に形成されたと解析がなされており,飛騨片麻岩類の変成史を考える上で重要な位置を占めている.
保護の現状
 と留意点
 飛騨片麻岩類はこの地域に広く分布しており,失われる心配はない.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)