福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 杉山川流域・夫婦滝と恐竜化石産地
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
勝山市:杉山(201)
選定理由 古生物学的に重要な地点,火山活動に関する地形
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  杉山集落から杉山鉱泉のすぐ北までの杉山川の河床壁は恐竜の破片化石を多産することで有名である.化石を含んでいる地層は白色粗粒の砂岩と黒色泥岩からなっており,杉山川や河床から50m 高いところを通る道路沿いに露出する白亜紀手取層群の一部である.タニシ等の化石以外に,植物化石が多産する.杉山川の河床では,恐竜化石の発掘が大々的に行われ,いくつかの成果があがっている.この地域では,新生代に入ってから激しい火山活動があり,火山岩や火山性堆積物が手取層群を被覆した.手取層群直上の火山岩は水中(陸上の湖)に堆積した火山砕屑岩であり,上位に向かって成層状態が明瞭化している.火山砕屑岩は手取層群より侵食に弱く,夫婦滝付近では,火山砕屑岩からなる巨大な壁(露頭)が発達する.垂直な壁の一つから2 段になった滝が流れ落ちている.上段は水量が多い時期には1 本,通常3 本,水量が少ないと1 本の滝である.下段の滝はこれらを1 つに集めて1 本になっている.高さは30m 程である.杉山鉱泉の建物は西から東へ流れた崩落性堆積物の上に建っている.
保護の現状
 と留意点
 恐竜化石の露頭は厳重に管理されているので,保護されるであろう.夫婦滝は自動車等では接近できないので,保全上問題ないが,大規模開発等で,自然環境が悪化しないようにする必要がある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)