福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 刈込池
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
大野市:上小池(38)
選定理由 地形形成史から見て典型的な地形
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  刈込池は,願教寺山(1,690m )の山麓の幅ケ平に形成された高原性の湖沼である.その標高は1,140mである.平坦面は願教寺山の崩落地形である.池の周囲約400m ,最深部4.5m ,湖周の最長部130m ,最短部70m である.湖の水は,周囲の山地から供給された降雨浸透水である.池の周囲はブナ林で囲まれ,池にはモリアオガエルが生息している.高標高にある山間池として地形的に貴重であるだけでなく,周辺はブナ林などの植生にも優れており,植物環境としても重要である.是非保存すべき自然環境である.刈込池のある旧上打波村は,白山を開いた泰澄大師が開いたことから,この大師にちなんだ伝説が多い.刈込池も大師が白山千蛇ケ池に棲んでいた大蛇を分けて,この池に狩込んだことからこの名がつけられた.
保護の現状
 と留意点
 白山国立公園第1 種特別地域に指定されており,刈込池周辺は,自然保護のため県有地化されている.現時点では,保存状態は良好である.しかし,刈込池のある幅ケ平周辺は,急崖をなしているので山地崩壊しやすい.また,この台地を覆っている願教寺火山岩には,節理がよく発達しているので,ガラガラした山地地形をなしている.従って,裸地にすることは避けるべきである.1961 年8 月の北美濃地震により山崩れが多数発生して新生代の古い火山灰層がむきだし状態になっているだけに,開発には十分注意が必要である.季節の変化がすばらしく,刈込池を中心とする幅ケ平全体を保全すべきである.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)