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名 称 |
二ノ峰・三ノ峰の高山性昆虫類 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:二ノ峰(37),三ノ峰(23) | ||
選定理由 |
生態学的に貴重なもの | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
二ノ峰から三ノ峰に掛けての地域は,石川県白峰村と岐阜県荘川村にまたがり,白山国立公園の特別保護地域と第2 種特別地域に指定されている.標高約2,000 m 前後の尾根と通称黒ん坊平と呼ばれる狭い緩斜面で構成され,実質的に本県の最高標高地帯となる.当地には高山のシンボルであるハイマツがあり,このような植生環境の北西限になる.よって,当地の昆虫相も中部山岳地帯高地と共通し,分布北西限に相当する種も少なくない.さらに,白山は広い意味で中部山岳地帯の中の,孤立山魂の一つであり,白山固有の生物が多数知られ,当地の昆虫にも,そのたぐいが見られる.したがって,本県にとっての貴重な地域であるにとどまらず,国内強いてはアジアにとっても貴重な一角となろう.当地に生息する貴重な種として,固有なものとしてハクサンクロナガオサムシ(亜種),ハクサンミヤマヒサゴコメツキ(亜種),ハクサンヒメハナカミキリ,ハネナガクモマヒナバッタ(亜種)がある.北西限としては,ベニヒカゲ,ツノグロモンシデムシなどのシデムシ類,シンシュウナガゴミムシ,サッポロギングチバチがある.さらに本県では当地のみで知られる種はかなりの種になり,ミツボシアツバ,シロスジアオヨトウ,エゾキシタヨトウ,オオアカヨトウ,ナマリケンモン,ヨツアナミズギワゴミムシ,ヒロオビモンシデムシ,クロホシビロウドコガネ,ヒメアオツヤハダコメツキ,クモマハナカミキリ,ニセフタオビヒメハナカミキリ,フイリヒメハナカミキリ,クロキクシケアリ,ヤマクロヤマアリなどが知られ,それらの中には実質的に北西限となる種が相当数ある. | ||
保護の現状 と留意点 |
当地域を標高1,250 m の六本檜と呼ばれる尾根から上部とした場合,1,600 m までの中腹は広範囲な伐採が行われ,現在ではほとんど裸地と二次林になっている.ある程度林の残っている石川県側斜面から察すると,対峙する幅ヶ平に匹敵する豊かなブナ林が広がっていたと思われ,同等な昆虫相を有していた筈である.幸いにも上部は,特別保護地域として厳重な保護を受けてきた.今後もこのような処置が守られれば,少なくとも現状は維持出来よう. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |