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名 称 |
加越山地 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
勝山市,大野市:取立山より赤兎山にまたがる山地一帯(55,73,92,112,132) | ||
選定理由 |
生物学的な多様性(種数)を保持している自然 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
奥越火山地に属するこの山地は,緩斜面が所々に発達し,また山頂近く赤兎山の通称赤池や取立山のミズバショウで有名な湿原もあり,変化に富んだ地形を呈している.元来この地域の植相は,典型的な日本海型ブナ原生林の生態系を保持している地域と言える.しかし,取立山付近は大規模な国道,林道の開発や森林伐採により自然度は著しく低下している.赤兎山〜大長山山系に関しては豊かな自然度を示唆する植物相が残されており,昆虫相も厚く福井県を代表する多くの昆虫の生息地として貴重な地帯である.取立山周辺部に生息する貴重な種としては,マガタマハンミョウ(分布南限),キオビトラカミキリ,蜂類ではフタモンアワフキバチ,エグレアリマキバチを挙げることができる.赤兎山山系に至る地域は,特に昆虫相は豊富であり,山地性のものから亜高山性の昆虫が数多く生息している.山頂近い湿地にはカオジロトンボ(分布南限)をはじめとして注目すべきトンボ数種類が生息している.蝶類ではフジミドリシジミの多産地として知られるほか分布上貴重な種が生息している.甲虫・蜂類に関しても数多くのまれな種が確認されている.蟻類では本州北部に生息するエゾアカヤマアリ・アカヤマアリが隣県石川県より本県まで生息が確認されているが,この地域より西南部には生息が認められないことから分布西限と考えられ,生態学上興味のあるところである. | ||
保護の現状 と留意点 |
この取立山周辺地域は,長年月をかけて大規模な林道が作られ,生物の生態系に大きな影響があったと考えられる地域である,開発前とその後の生態系を徹底調査し,今後の開発の資料として検討することが望まれる.特に開発部から周辺部へどの範囲にどのように影響が及んでいくのか,またどの部分がどのように自然復帰するのか等調査は重要であり,このような調査には好条件の地域であると考える. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |