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名 称 |
三国町雄島 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
三国町:雄島(734) | ||
選定理由 |
生態学的に貴重なもの | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
三国町安島地籍にあり,安島集落の西約300m ,面積0.1 u,最高標高36m の島で,島内には大湊神社が祀られ,タブ林,スダジイ林の照葉樹自然林が良く保たれ,地質・植物・動物などの観察地として貴重である.アオスジアゲハ,モンキアゲハは普通種であるが個体数が多く優先種となっている.オオツノカメムシ,ヒゲブトグンバイ,エサキムカシハナバチなどの昆虫の分布が注目される.甲虫類では,一般同好者には1973年に,太平洋南岸沿いから記録されていたオガサワラチャイロカミキリが雄島から発見され話題を呼び,その採集のため関東や関西から安島の民宿に泊まったということを聞いたことがある.ベーツヒラタカミキリという大形珍希種は夜間に見つかるらしい.オシマヒメテントウは雄島を基準産地として記載され,当地は少なく固有種かと思われたが,他地でも発見されている.ダエンテントウダマシは特異的に雄島の笹藪から割合良く採集されている.以上のように生物地理学上非常に興味がもたれる地域で,隣接しているとはいえ隔離された島嶼として注目に価する. | ||
保護の現状 と留意点 |
福井県第一級の観光地である東尋坊や芦原温泉に近接し風光明媚な光景を有する雄島が開発を免れ,その美しく学術的に価値の高い自然を維持出来たのは,国定公園の特別保護地区に指定されていることのみならず,大湊神社の自然保護に対する姿勢があることを私たちは認識したい.雄島は大湊神社の管理下にあるが島の入口は良く知られているように赤い橋で結ばれている.そして,その橋の入口は車止めがあり,島内は車は通れないし,歩行道もロープで制限され林内は進入が禁止されている.建造物は大湊神社と社務所(通常無人)と無人の灯台,海上保安庁の監視所がある以外は何もない.遊山客が多いのに,所どころに置かれている空カンかごが満杯になっても市民によるポイ捨ては大変少ないことは,雄島の自然の大切さを皆が理解をしている反映であろう. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |