福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 クモガタガガンボの一種
学   名 Chionea sp.
分 類 1 昆虫類
分 類 2 ハエ目ガガンボ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
福井市:深谷(660)
選定理由 希少種
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  真冬に,山地の積雪の上に現れる無翅のガガンボの一種で,チビクモガタガガンボ(Chionea gracilistyla )にもっとも近縁の種である(西治,1998 ).ガガンボにしては極端に寸詰まりの黄褐色の体は体長約4.5mmで,胸部背面には,平均棍よりさらに小さな翅の痕跡をくっつけている.脚は黄褐色で,長い剛毛を無数に生ずる.雄の後脚腿節は特に太い.その名のように,雪の上を歩くこの類の姿は,足の長いクモか,あるいは,足の短いザトウムシといった印象がある.この種は,1998 年2 月に,福井市深谷で初めて発見されたもので,他の地域からの記録はまだない.
保護の現状
 と留意点
 福井市深谷の標高150m 地点にある広葉樹林の林床で採集された.同様の環境は各地に広く存在し,このクモガタガガンボが他の地域にも生息している可能性は高い.里山の自然の多様性を失わないように心掛けてゆくべきであろう.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)