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名 称 |
名田庄村南川流域のハチ類 | ||
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学 名 |
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分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
名田庄村:挙原(1052),永谷(1067),虫谷(1067),仁吾谷(1092),染ヶ谷(1093),八ヶ峰(1105),野鹿谷(1145),尼来谷(1152),頭巾山(1153,1154) | ||
選定理由 |
生物学的な多様性(種数)を保持している自然 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
京都府との県境にある三国岳,八ケ峰,頭巾山などからの支流が南川に注いでいる地域である.頭巾山はブナ原生林やホンシャクナゲなどのほかは殆どスギが植林されている.しかし,野鹿谷,虫谷,尼来谷,久田川などの谷は深く,谷川沿いの一部には落葉広葉樹が残っており,多くの蜂類の生息を可能にしている.過疎化は進んでいるが,かや葺きの民家や倒壊寸前の小屋や薪の置き場があって,蜂類のよい営巣場所になっている.そのために昆虫相の豊富なところが部分的に残っている.みどりのデータバンク調査では,南川流域のハチ目は21 科201 種も記録されており,その後の調査で41 種が追加されている.嶺南地方は一般にハチ目の種数,個体数は貧弱であるが,南川流域では,奥越にしか生息していないと思われていた種が多数発見された.特にエチゼンギングチ,ムロタギングチ,キユビギングチ,スギハラギングチ,ニトベギングチ,フクイアナバチ,ナンブジガバチモドキなどの希少種の生息が確認された.この中でエチゼンギングチ,ムロタギングチは,全国でもこの地だけにしか記録のない非常に稀な種である.この地域にはこうした珍しい蜂が多数生息している. | ||
保護の現状 と留意点 |
南川の支流には,清流と深い緑に覆われた豊かな自然が一部に残っており,ハチの種類数は多く豊富である.一方,過疎化のため人家に住むハチ類が絶滅の危機にある.以前は今ほどスギの植林がなされておらず,落葉広葉樹が豊かであった.また,かや葺きの民家も多くハチ類の営巣場所として適していた.大規模なスギの植林及びそれに伴う林道の道路工事,砂防堰堤工事,過疎化などにより豊かな自然が失われていった.この地域の豊かな自然を保つためには,スギの植林を見直し,残された落葉広葉樹林を保存し,コナラやカエデなどの植林を行うことが必要である.また,ダム工事,大規模な治山工事,農薬の使用などの制限も必要となる.また,薪や木材の置き場などを確保することもハチ類の保護のためには大切である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |