福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 シロスジフデアシハナバチ
学   名 Dasypoda japonica Cockerell
分 類 1 昆虫類
分 類 2 ハチ目ケアシハナバチ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
あわら市(旧芦原町):松ヶ崎(540),三国町:下野荒井(697),福井市:御所垣内町(621)
選定理由 生態学的に貴重なもの
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  1911 年に九州産の標本により記載され,その後,朝鮮半島,中国東北部,シベリア東部から記録された.日本では九州,中国地方など南西部に多いが,北へ行くほど数少ない種となる.ケアシハナバチ科(日本では5 種しか知られていない)に属する.この科のものは後脚に長い毛が生えている特徴を持つが,本種はその中でも毛の生え方が最も密で,習字用の筆のような感じの脚をしているので,フデアシの和名が付けられた.腹部の白色毛帯が第2,3 節のものは中央で切れていることも,他のケアシハナバチと区別する上でよい手がかりとなる.砂地に穴を掘り花粉を運んで幼虫を育てる.花粉塊の形が大変ユニークで,下面にかなえ状の三本脚がついている.砂地への適応であると考えられる.本県では1996 年,芦原町松ヶ崎で初記録され,1997 年には集団営巣地も見つかった.さらに三国町下野荒井,福井市御所垣内町の九頭竜川河川敷でも採集されている.
保護の現状
 と留意点
 芦原町北潟湖畔の丘陵は,土砂採集のために山がなくなるほど開発されている.その中に僅かに残された幅20m 長さ40m たらずの丘の斜面に,本種の集団営巣地がある.しかし,ここもいつ開発されるか分からない.三国町,福井市の生息地では巣を確認していないが,おそらく河川敷の砂地に営巣するものと思われる.土砂採集による環境破壊に歯止めをかけないと,本種は遠からず絶滅するおそれがある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)