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名 称 |
カワラアワフキバチ | ||
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学 名 |
Dienoplus tumidus japonensis Tsuneki | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ドロバチモドキ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
勝山市:発坂(277),大野市:佐開(188),温見(245) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
カワラは河原,アワフキバチはアワフキを狩るハチを意味する.河原に生息し,草がまだらに生えた砂地に,長さ10cm 以下の短い穴を掘り巣を作る.本種は,1963 年に常木勝次博士が,勝山市発坂産の標本により,ヨーロッパでは普通種として分布するtumidus の亜種japonensis として記載された.日本では大阪,岡山,福井,石川,新潟などの諸県から記録があるが,個体数の大変少ない極めてまれな種である.わが国にはアワフキバチ類は11 種いるが,多くのものは体長1 p前後であり,黒地に黄白色紋を持つ.本種は体長6 o前後,第1,2 腹節が赤色で,顔面や腹部に黄白色紋があり,小さいけれども大変美しいハチである.本県では,1954 年,勝山市発坂から初めて採集された.同地では1959 年,1986 年にも生息が確認されている.また,1982 年には大野市佐開,1984 年には大野市温見で採集された.これらの採集地はいずれも九頭竜川,真名川の河川敷である. | ||
保護の現状 と留意点 |
かつての生息地の勝山市発坂は,九頭竜川中流域の河原で,大野市佐開は真名川中流域である.さらさらした粗めの砂は泥が少なく清潔で一様に美しかった.上流の森林が健在であったからである.しかし,最近の川は降水期には強烈に岸辺を削り,土砂崩れを起こし,渇水期には殆ど水がなくなってしまう.上流の森林の保護が切望される.さらに,河原は生活廃棄物で汚れてしまった.河原特有の可憐な草花も姿を消し,我が物顔のクズ,ヤブガラシ,ブタクサ,アメリカセンダングサ,セイタカアワダチソウなどがはびこり,益々河原は荒れ地化していく.本種を初め砂地性昆虫の生存も危機に瀕している.自然回復のための整備が望まれる. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |