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名 称 |
ニッコウツヤアナバチ | ||
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学 名 |
Alysson monticola monticola Tsuneki | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ドロバチモドキ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:六本檜(37),赤兎山(94),中洞(96),嵐(117),巣原(268) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
キユビギングチの生息地本種は,1977 年,埼玉県雁坂峠産の標本に基づいて,常木勝次博士が記載された.和名のニッコウは,それ以前に,栃木県奥日光の金精峠で多数採集されていたことによるものである.北海道,本州,九州の山地に分布するが,個体数は極めて少ない.近似種にハクサンツヤアナバチがいるが,本種はやや小形であり,体の黄色紋の発達が著しい.両種は混生する所もあるが,ハクサンは比較的低地にも生息し,本種はより高地(標高約2,000m )にまで分布する.詳しい生態観察はなされていないが,8 〜9 月,山道の比較的涼しい場所を選んで営巣し,ヨコバイ類を狩り,腹合わせに大顎で獲物の頸部をくわえ,脚を使わず空中運搬することが知られている.本県では,1978 年に大野市嵐から初記録され,1980 年には赤兎山登山道でかなり多数の標本が採集されている.今回の調査で,大野市六本桧,中洞,巣原(平家平)でも生息が確認された.中洞は標高600m 未満であるが,その他の産地は標高1,000m 以上の亜高山帯である. | ||
保護の現状 と留意点 |
本種は奥越地方の亜高山地帯の登山道付近に生息する.比較的涼しくやや湿った感じの所の裸地に営巣することが知られている.かつては,このような山道が各地にあり,人々の生活と密接に結びついていた.過疎化し車社会になった今日は,人の歩く山道は全く荒れ果てて,殆どが車の通る道になってしまった.本種の生息できる環境は極端に減り始めている.有害昆虫ヨコバイを狩る本種を保護するためには,人の歩く登山道やハイキングコースは舗装しないようにしたいものである.また,路面の補修や草刈りなどを人手で定期的に行うなどの積極的な整備が望まれる. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |