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名 称 |
ニトベギングチ | ||
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学 名 |
Spadicocrabro nitobei (Matsumura) | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ギングチバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:下市(624),大野市:鳩ヶ湯(76),秋生・笹生川(195),嵐(118),南越前町(旧今庄町):木ノ芽峠(724,725),夜叉ヶ池(535,536),美浜町:折戸谷(902),黒谷(927),名田庄村:永谷(1067),赤谷(1067) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
本種は国内産銀口蜂の中でも大形に属し体長18mm に及ぶ.また,一見キボシアシナガバチに似た異色のギングチバチである.本州に生息し,石川県,青森県,群馬県,新潟県に本県を合わせて5 県から知られている.生息地は低山から山地に至る広い範囲に及び,トチ,ブナ,スギの立枯木に営巣している.県内の分布地は,福井市,大野市,美山町,今庄町,及び名田庄村で,7 月から9 月下旬にかけて,主に枯木や花で採集された.本種は青森県で下山氏のグループによって,巣の構造が調べられた.幼虫の食料にゴマシオキシタバ,コガタキシタバ,エゾシロシタバ,オニベニシタバ,ヤガの類の蛾類成虫が狩られている.また,本種はインドのシッキムと台湾で各1 個体の雌が記録されている. | ||
保護の現状 と留意点 |
前回の調査では,福井市,大野市,今庄町および名田庄村で記録されたが,今回の調査では,前回の主要な生息地での記録はなく,わずかに美山町と美浜町折戸谷と黒谷が加わったにすぎない.原因の一つに蜂の営巣場所となる立枯木の減少があげられる.スギの植林で減少したり,危険防止のため切られている.従って豊かな生態系を維持するためには一定面積のいわゆる雑木林を保存する必要がある. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |