福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 アカオビケラトリ
学   名 Larra amplipennis (F.Smith)
分 類 1 昆虫類
分 類 2 ハチ目ケラトリバチ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
三国町:三里浜(737),福井市:三里浜(777),勝山市:発坂(277),大野市:菖蒲池(233),武生市:日野川(637),敦賀市:常宮(863),美浜町:美浜(948),小浜市:小浜(1046),高浜町:高浜(1140)
選定理由 分布限界種
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  体長16 〜18 o,黒色で,腹部の第1 節から3 節までが赤褐色のケラトリバチである.日本では本州,四国,九州,奄美大島に分布する.本種は,日中,土や砂の中に生活しているケラを巧みに追い出し,一時麻酔をして動きを止め,卵を産み付ける.しばらくして,麻酔から覚めたケラは砂の中に潜る.卵からかえった幼虫はケラの体を食い終えて,その近くで繭を作り,約1 ケ月後に成虫となる.一般に狩り蜂は巣を作って獲物を貯えるのであるが,本種は巣を作らず,巣坑をもったケラに卵を産み付ける珍しい習性を持った蜂である.県内では三国町,勝山市,大野市,武生市,敦賀市,美浜町,小浜市,高浜町において記録されている.南方系の蜂で個体数も少なく,本県は日本海側の北限である.7 月から9 月にかけて,海岸や河原の砂地やアリマキのついている葉の上に姿を現す.
保護の現状
 と留意点
 みどりのデータバンク調査では,三国町三里浜,勝山市発坂,大野市真名川,武生市日野川,敦賀市,小浜市南川などで記録された.しかし,今回の調査では,敦賀市常宮,福井市三里浜だけの記録しかない.海岸や河川敷の開発が進み,ケラが生息する砂地が激減し,本種も絶滅の危機にある.保護対策としてはケラが生息する自然のままの砂地を確保することが望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)