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名 称 |
キアシマエダテ | ||
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学 名 |
Psenulus carinifrons iwatai Gussakovskij | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目アリマキバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
三国町:三里浜(737),下野荒井(654),丸岡町:宇髄(510),鳴鹿(401),福井市:福井大橋(510),西下野町(662),敦賀市:中池見(805) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
マエダテバチ(Psenulus )属のものは,日本から16 種記録されていて,いずれも腹部第1 節が長く柄状となり,ほっそりした体つきをしたハチである.本種は和名の通り,前,中脚が鮮黄色をしているので,他の種類との識別は容易である.1934 年に京都産の標本に基づき新種として記載されたが,後に,台湾,東南アジア,インドなど広く東洋区に分布するcarinifrons という種の亜種とされた.日本では本州から四国,九州,沖縄,与那国島まで分布するが,南方系種のようで,南の方には多いが北へ行くほど個体数が少なくなる.福井県では三国町,福井市,丸岡町,敦賀市から記録されているが数は少ない.1963 年ごろは三国町の三里浜の砂防垣のヨシの髄孔に多数営巣し,生態観察も行われている.幼虫の餌にヨコバイを狩り,1 室に10 数匹を貯え,クモの巣を使った薄い壁で部屋を仕切る. | ||
保護の現状 と留意点 |
かつて本種が生息していた三里浜は環境が激変し,今回の調査では生息が確認できなかった.しかし,九頭竜川下流の河川域,鳴鹿から下野荒井にいたる区間の数カ所で本種が記録され,敦賀市中池見でも発見された.海岸や河川の下流域のヨシの髄孔などに営巣しているものと思われる.近年海岸,河川域の開発が盛んであるが,本種のような希少種が生存できる,自然環境を配慮した土地利用を工夫してほしいものである. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |