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名 称 |
ヤドリホオナガスズメバチ | ||
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学 名 |
Dolichovespula adulterina montivaga Sk.Yamane | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目スズメバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:小池(56),三ノ峰(37),和泉村:三面(63) | ||
選定理由 |
希少種、生態学的に貴重なもの | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
ホオナガスズメバチ(Dolichovespula )属のものは,複眼後端と大顎基部との間の距離が長い(ホオナガ)ことで他のスズメバチ類と区別される.本種は体長が雄は13- 17mm ,雌は16- 18mm で,象牙色〜白色の斑紋を持つ.雌の頭盾上の黒斑が頭盾上縁に達しないこと,雄の後胸背板の白紋は退化して2 小点であることなどから,近似種と識別できる.北海道と本州の山岳地帯に分布し,ニッポンホオナガスズメバチに社会寄生することが知られている.越冬した女王蜂は春になっても巣を作らず,働き蜂が羽化した寄主の巣に侵入し,その巣の女王蜂を殺して巣を乗っ取り,寄主の働き蜂に自分の子を養育させるのである.したがって本種には働き蜂はいない.福井県では,大野市,和泉村の山中で,わずかな採集記録しかない希少種である. | ||
保護の現状 と留意点 |
本種の寄主として確認されているニッポンホオナガスズメバチは福井県には分布していない.本県では近似種のシロオビホオナガスズメバチに寄生すると推測される.シロオビホオナガスズメバチは奥越地方と池田町の高山帯に生息し,朽ち木の洞や地中に営巣する数少ない種で生息環境の微少な変化にも影響されやすい.林道の開発や森林の伐採は最小限にとどめ,高山地の自然林の保護育成に努めることが本種の保護につながるものである. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |