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名 称 |
オオハムシドロバチ | ||
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学 名 |
Symmorphus captivus (Smith) | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ドロバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
和泉村:小谷堂(45) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
ハムシドロバチ(Symmorphus )属のものは小形種が多いのに,本種は体長15- 16mm ,全体が黒色で腹部の第1 節と第2 節の後縁に黄色の横帯斑紋を持つ,ハムシドロバチとしては大形のハチである.1873 年に兵庫県産の標本に基づいて記載された.その後,青森,岩手,山形,栃木,山梨,石川,福井,大阪,徳島,高知の諸県から記録されているが,各地とも個体数は少ない.福井県では1989 年に和泉村小谷堂で採集された記録だけである.小谷堂の道ばたの農家の納屋のわら屋根に,小形のハムシドロバチがたくさん営巣していたが,その中に混じって飛んでいた1 ♂を採集したものである.日本における生態観察の記録(岩田博士の行ったOdynerus (Symmorphus )captivus の生態観察はハラナガハムシドロバチのものだろうとのことである)はないが,他のハムシドロバチと同じように既存孔に営巣しハムシ類を狩ると思われる. | ||
保護の現状 と留意点 |
本種が採集された和泉村小谷堂は,石徹白川の河川域にある小さな集落であったが,過疎によって無人化し,住家性の蜂類が巣を作る家屋はほとんどなくなってしまった.また河川改修や道路拡張の工事によって周辺の自然環境は悪化の一途をたどっている.本種は木造家屋や朽ち木などが造巣基であると思われるので,何とかしてそのような自然環境を取り戻したいものである. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |