| |||
| |||
名 称 |
ハグロフタオビドロバチ | ||
---|---|---|---|
学 名 |
Anterhynchium melanopterum Sk.Yamane | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ドロバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:真名川河原(186),南越前町(旧今庄町):今庄(642) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
フタオビドロバチ(Anterhynchium )属のハチは,日本にはオオフタオビドロバチとハグロフタオビドロバチの2 種がいる.本種は体長16mm 前後,翅はたいへん黒ずんでおり,頭盾上の黄紋と前胸背板上の2 小黄紋のほかは,頭胸部はほとんど黒色である.胸部後半部は広くくぼみ,腹部に2 本の橙黄色をした帯状紋を有する.1981 年に鹿児島県産の標本により記載され,本州では栃木,茨城,東京,新潟,福井,広島,山口,四国では香川,高知,愛媛,九州では福岡,宮崎,鹿児島の諸県と対馬から記録されている.本県では1983 年に大野市と今庄町から記録されただけの大変珍しい種である.習性観察の記録はないが,オオフタオビドロバチと同じように,竹筒やコウチュウ類が作った朽ち木の坑道などの隙間を利用して巣を作り,ガの幼虫を狩り蓄えることが予想される. | ||
保護の現状 と留意点 |
1964 年以後,今回の調査でも本種は記録されなかった.以前本種が採集された大野市真名川の河原や今庄町では,当時より急速な河川改修や宅地造成が進み,著しく環境が変わってきている.しかしこれらの地域での綿密な調査を進めれば,本種は発見されるであろうし,生態観察も期待できる.河川域の改修や里山近辺の土地造成などは最小限にとどめ,自然環境の保全を是非図りたいものである. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |