福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 アミダテントウ
学   名 Amida tricolor (Harold)
分 類 1 昆虫類
分 類 2 コウチュウ目テントウムシ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
南越前町(旧河野村):河野(797),若狭町(旧三方町):神子(1001),常神(1015),御神島(1016),烏辺島(1004),小浜市:小浜(1045),下根来(1036,1037),百里ヶ岳(1028),児島(1058),名田庄村:虫鹿野(1080),虫谷(1067),大飯町:冠者島(1096),高浜町:音海(1156),青葉山(1167),鷹島(1147),風島(1157)
選定理由 分布限界種、生態学的に貴重なもの
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  体長4.0 〜4.6mm で,黄色地に赤と黒の斑紋を持つ美しいテントウムシである.暖地性の種で,分布は本州,四国,九州,五島列島,甑島となっている.福井県内では三方町常神半島,小浜市,名田庄村,高浜町など,嶺南地方各地で割合普通に見られ,場所によっては最優占種といえるほど多産するが,「福井県昆虫目録」(1985 )には嶺北地方の記録はなく,三方町常神が分布北限となっていた.しかし今回の調査で,嶺北地方の河野村河野から2 頭採集され(酒井,1995 ),現在この記録が分布北限記録となっている.テントウムシ類の多くは,アブラムシ類かカイガラムシ類を食べるが,本種はアオバハゴロモの幼虫を食べている.餌は県内各地で普通に見られるため,嶺北地方でも海岸沿いの照葉樹林を捜せば見つかりそうであるが,三国町雄島や越前町からは見つかっていない.
保護の現状
 と留意点
 嶺南地方では個体数が多く,現在の自然環境を保護することで今後も生息していけるものと思われるが,嶺北地方では産地が河野村河野の1 ヶ所のみで,個体数も2 頭採集されているだけである.2 頭とも海岸沿いの急斜面のツバキで得られたが,個体数は少ないものと思われる.急な斜面や断崖が多いため,人の手は入りにくいと思われるが,災害防止のための工事等は,自然環境を維持しながら必要最小限にとどめるよう配慮が必要である.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)