福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 ゲンジボタル
学   名 Luciola cruciata Motschulsky
分 類 1 昆虫類
分 類 2 コウチュウ目ホタル科
位   置
(2kmメッシュ番号)
丸岡町:山久保(467),山竹田(398),川上(431),豊原(433),あわら市(旧金津町):細呂木(501),南越前町(旧今庄町):宇津尾(572),鯖江市:落井(558),勝山市:小船渡〜岩屋(299,300,301),大師山(205),大矢谷(184),壁倉(207),片瀬(228,229),小浜市:遠敷(1034),奥田縄(1064),大野市:勝原(141,(163),清滝川(236,262,263),赤根川(259,260,261),南六呂師(160),池田町:常安(415),敦賀市:杉津(800),中池見(805),美浜町:耳川(940,941),福井市:鮎川(843),安波賀(441,479),一乗谷(443,478),角原(593),足羽山(589,590),和泉村:九頭竜ダム(84)
選定理由 生態学的に貴重なもの
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  体長10 〜16 o.発光するホタルとしてはヘイケボタルとともに有名だが,前胸背板の斑紋の違いや,比較的大形であることにより容易に区別でき,本州,四国,九州に分布する.成虫は5 〜7 月に出現.ヘイケボタルの幼虫は平地の水の少し汚れた小川や水田に生息するが,ゲンジボタルは低山地の水のきれいな流れの緩い川に生息し,カワニナを餌としている.砂礫の上や石の上をはって歩き,幼虫も発光する.県内では,丸岡町,金津町,今庄町,鯖江市,勝山市,小浜市,大野市,池田町,敦賀市,美浜町,福井市,和泉村において,6 〜7 月にかけて記録された.
保護の現状
 と留意点
 みどりのデータバンク調査では,丸岡町,金津町,今庄町,勝山市,大野市,小浜市,池田町,敦賀市,美浜町,福井市,和泉村から記録された.今回の調査では,金津町,今庄町,池田町,美浜町,福井市,和泉村からの記録がなく,新たに鯖江市から記録されている.ゲンジボタルの幼虫は,カワニナを餌としており,生息には川の水がきれいなことが重要である.また,蛹になるときは川から岸にはい上がり,土中で繭を作るため,川岸は土や石垣で護岸されていなければならない.コンクリートの三面張りの護岸工事が行われているところでは生息できない.最近,生息数や生息地域の減少が叫ばれているが,護岸工事のあり方の見直しや,水質の改善に取り組まなければ,減少に歯止めはかからないであろう.また,ゲンジボタルを人工飼育し,祭り等の行事を実施している例がある.幽玄なホタルの光を楽しみ,その感動を後の世代まで伝えていこうとするところに意義が認められるものの,本来は生息環境の保全についての啓発活動こそ重要である.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)