福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 マガタマハンミョウ
学   名 Cicindela ovipennis Bates
分 類 1 昆虫類
分 類 2 コウチュウ目ハンミョウ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
永平寺町:冠岳(372),勝山市:取立山(132),丸岡町:上竹田(322)
選定理由 分布限界種、生態学的に貴重なもの
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  体長約15mm 前後,鞘翅が卵形のハンミョウである.背面は緑掛かった褐色,各鞘翅は中央に黄色の勾玉(まがたま)紋を持ち,その後方に黄色の三角紋がある.この斑紋は変化し,時に消失する.鞘翅肩部は無く,側縁は丸くて中央後方で最大幅.後翅は無く,飛べず,地表を敏速に走る.斑紋の縮小したニワハンミョウに似るが,鞘翅肩部が無く,鞘翅の点刻列を欠く.北海道南部,本州中部以北,佐渡島に分布する.本州では日本海側に偏る.低山地から中山地の下草の無い地表に現れ,忙しく走り回っている.時に林道の側溝に落ちている.早春から夏期に出現する.局所的に発生するが,少なくはなく,時に群生する.多降雪地帯を代表する昆虫として知られる.本県では丸岡町から勝山市に掛けての加越山地中心に生息が確認されている.個体数は少ないが,丸岡町上竹田では側溝に落ちた数例があり,決してまれではないらしい.取立山と冠岳は登山道で歩行中を得られている.ブナ帯に現れる.永平寺町冠岳は本種の西限に当る.
保護の現状
 と留意点
 みどりのデータバンク調査では,永平寺町と勝山市から知られ(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1985 ),今回の調査では丸岡町から記録された.本種の保存のためには生息環境を保全することが重要である.本種は北海道南部,東北,北陸のみに分布し,ブナ帯と多降雪地帯が重なる地域に特異であり,かつ,よく飛翔することの多いハンミョウ類としては異例に後翅を欠くことも特異である.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)