福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 セッケイカワゲラ
学   名 Eocapnia nivalis (U´eno)
分 類 1 昆虫類
分 類 2 カワゲラ目クロカワゲラ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
福井市:深谷(660,661),一乗城山(442)
選定理由 生態学的に貴重なもの
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  冬季,積雪の上に現れる無翅のカワゲラで,高山の雪渓では夏でも発見される.クロカワゲラ科に属し,体長8 〜10mm の細長い体は全身黒色である.成虫は雪の上を活発に歩き回り,その姿は渓流周辺ばかりでなく,流れから遠く離れた山の尾根で見られることもある.以前に,トビムシをくわえている個体を見たことがあるが,このカワゲラが捕食性なのか死体を食べるのかは明らかでない.他に,枯れ葉や動物の糞を食べるともいわれる.青森県から兵庫県まで分布が知られている(Kawai ,1967 ).県内では,福井市深谷と一乗城山で記録されているに過ぎないが,これらの地域では決してまれではない.少なくとも嶺北地方には,広く分布しているものと思われる.
保護の現状
 と留意点
 幼虫の生態についてはほとんどわかっていないが,おそらく,山の谷間を流れる渓流の中で育つのであろう.安定した自然林の存続が,このカワゲラ個体群が健全に維持されるためには必要と思われる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)