福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 ナカジマシロアリ
学   名 Glyptotermes nakajimai Morimoto
分 類 1 昆虫類
分 類 2 シロアリ目レイビシロアリ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
小浜市:蒼島(1085)
選定理由 分布限界種
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  有翅虫は光沢のある黒褐色の体を持ち,褐色の長い四枚の翅は,前縁の3 本の翅脈が濃褐色に色付いている.触角は淡褐色で,9 〜10 節.海岸沿いの地域にはえるタブ,スダジイ,アカガシなどの枯れ木ばかりでなく,生木にも円い坑道を掘って潜行する.徳島,高知,大分,宮崎,鹿児島に分布が知られているほかに,南紀の串本,奄美大島,小笠原にも生息するといわれる.福井県からは,シロアリ類は長い間ヤマトシロアリ1 種が知られるに過ぎなかったが,1994 年6 月に,小浜湾に浮かぶ蒼島の中腹で有翅虫1 個体が採集された.この種を含めレイビシロアリ科の種は,伊豆半島以南の太平洋側の温暖な地域だけに生息が知られていたもので,蒼島での発見は,日本海側における最初の分布記録となった.
保護の現状
 と留意点
 原生の暖地性植物群落が見られる蒼島は,国の天然記念物として保護されているため,人為的な自然破壊の心配はないが,サギや鵜の類が棲み付いて大きな繁殖コロニーを作ることにより,島の自然環境が急激に破壊される可能性がある.そのような状況にならないように注意していく必要がある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)