福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 ハッチョウトンボ
学   名 Nannophya pygmaea Rambur
分 類 1 昆虫類
分 類 2 トンボ目トンボ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
あわら市(旧金津町):牛ノ谷(462,463),笹岡(465,504),山室(542,543),福井市:天菅生町(658,659),深谷町(624,661),本堂町(704),末町(744),永平寺町:岩野(374),大野市:下小池(56),武生市:鬼ヶ岳(753),安養町(827,791,792),敦賀市:黒河(871),池河内(728,729),樫曲(805),疋田(771),粟野(868),沓見(895),美浜町:笹田(久々子湖)(958),若狭町(旧三方町):気山(中山)(960),高浜町:青葉山(1167)
選定理由 希少種
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  不均翅亜目の中で国内最小種で,体長が18mm 程度しかない(植村,1985 ).本州,四国,九州に分布し,北は青森県から南は鹿児島県にいたるが離島には生息しない.平地,丘陵地,低山地の,日当たりがよく草丈が低い休耕田や浅い湿地に生息する(石田ほか,1988 ).今回の調査事業では,福井市,永平寺町,敦賀市,美浜町,三方町,大野市において,5 月末から7 月下旬にかけて,主に休耕田で記録された(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998 ).大野市の記録は,本来の生息地とは異なる山地帯であり,本種が通常考えられる以上の長距離移動が可能であると推測され,今後の定着状況を追跡する必要性があろう.
保護の現状
 と留意点
 前回のみどりのデータバンク調査では,金津町,大野市,武生市,敦賀市,高浜町で記録された(福井県自然環境調査研究会昆虫部会,1985 ).しかし,今回の調査事業では,金津町や大野市などの主要な生息地の記録がなく,環境変化のため絶滅したと思われる.生息地は休耕田が多いため,やがて乾燥化し生息に適さなくなったり,圃場整備で消失するなど,生息環境は不安定である.よって,安定した生息地は保全対策を講じる必要がある.福井市末町の生息地は最も多産していたが,本稿の執筆中に埋め立てられてしまった.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)