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名 称 |
カオジロトンボ | ||
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学 名 |
Leucorrhinia dubia orientalis Selys | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
トンボ目トンボ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:赤兎山(赤池)(93) | ||
選定理由 |
分布限界種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
体長約36mm で,黒色と暗赤色の地味な体であるが,顔面は白色で目立つ.北海道と本州に生息するが,本州では東北及び中部山岳地帯に点在的に分布する.生息環境は,寒冷地の高層湿原のみに限られる(植村,1985 ;石田ほか,1988 ).今回の調査事業では,成虫は7 月中旬にオスが1 頭採集されたにすぎず,8 月の調査ではすでに確認されなかったことから,個体数は大変少ない.ただ,唯一の生息地である赤池では幼虫が採集されており,個体数は少ないもののこの池で発生していることが確認された(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998 ).本県の記録地は,本種の国内の分布の南西限にあたり,全国的にも貴重である. | ||
保護の現状 と留意点 |
前回のみどりのデータバンク調査では,赤兎山で1 例記録されているにすぎない(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1985 ).今回の調査事業でも,同所においてわずかに記録されただけで,たいへんまれなトンボである.本種は,県内では赤兎山の赤池だけが唯一の生息地であり,このことは赤池が本県にとってたいへん貴重な池である要因の一つにも挙げられる.最近の登山客の増加など,赤池の保全上のマイナス要因が増加しており,今後の保全対策がたいへん重要である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |