福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 アオモンイトトンボ
学   名 Ischnura senegalensis Rambur
分 類 1 昆虫類
分 類 2 トンボ目イトトンボ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
あわら市(旧芦原町):北潟(577,540),赤尾(541),三国町:加戸大堤、加戸小堤(615),福井市:月見町(590),両橋屋町(777),天池町九頭竜川河川敷(586,587),鯖江市:上鯖江町(632,633),敦賀市:泉(若泉町)(806),樫曲(中池見)(805),若狭町(旧三方町):切追(960),久々子湖(959),中山(960)
選定理由 希少種
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  ♂♀ほぼ同大で腹長23〜25mm、後翅長15〜18mm、♂の腹部第8節が鮮やかな淡青色をしている。岩手県以南の、離島を含む各地に分布している。東北地方や北陸、山陰内陸部では産地が局地化してまれだが、西南日本、とりわけ太平洋岸では普通種である。おもに平地の挺水植物が繁茂した池沼や水郷の溝、湿地の滞水、水田などかなり広い環境の水域に生息し、しばしば海岸沿いの汽水域にも見られる。生息地は海岸に近い地域に限られる傾向が見られる(石田ほか,1988)。
 県内では芦原町、三国町、福井市、鯖江市、敦賀市、三方町において6月下旬から11月初めにかけて採集されているが個体数は少ない(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998;和田,1997)。暖地性のトンボで、海岸線に沿って北上している可能性もある。
保護の現状
 と留意点
 みどりのデータバンク調査では三国町大堤の記録があるのみであったが(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1985)、今回の調査事業では、調査精度の向上などにより、記録地が増加した。アオモンイトトンボは嶺北地方において必ずしも普遍的に見られる種とは言えないが、和田(1997)は、1997年に、嶺北地方の7ヶ所で、かなりの個体数を確認し採集している。特に三国町の大堤では、極めて多数の個体が発見されている。本種が定着している可能性は高いと思われるが、採集記録が一定して得られないなど、生息状況に不明な部分が多く、今後のさらなる調査と生息環境を維持することが重要である。





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)