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名 称 |
ルリイトトンボ | ||
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学 名 |
Enallagma boreale circulatum Selys | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
トンボ目イトトンボ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:刈込池(38),下小池(56) | ||
選定理由 |
分布限界種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
♂♀ほぼ同大で腹長24〜31mm、後翅長20〜25mm、ややがっしりした中形のトンボである。♂は体の大半が明るいるり色をして美しく、♀は地色が黄緑色のものと青色の個体の2型がある。北海道と岐阜、福井の県境地域以北の本州に分布している。北海道では平地の挺水植物が繁茂する池沼や湖などにほぼ普遍的に生息しているが、本州ではほとんどが標高の高い山岳地域の高冷な池沼に限ってみられる(石田ほか,1988)。 県内においても産地は局限され、古くから記録のある大野市下小池、刈込池のみが知られており、6月中旬から8月上旬にかけて記録されている。産地は限られるものの、そこでは多産する傾向があり、特に刈込池では多数の個体が水面を群れているのが観察できる。 | ||
保護の現状 と留意点 |
みどりのデータバンク調査では、下小池、刈込池だけで記録されているが(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1985)、今回の調査でも、両地点での生息は確認できたものの、それ以外の生息地は見つかっていない(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998)。この両生息地は日本の西南限であり、重要である。1995年、県の整備事業により下小池にある小さな池が著しく改変されてしまった。下小池の池はルリイトトンボやカラカネトンボの本州南西限の生息地で、動物地理学上重要な場所であり個体数の減少が心配され、早急に保護対策を講じる必要がある(和田ほか,1995)。また、刈込池については入山者も多く、生息環境保全のためにも入山者へのマナーの啓発が必要である。 | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |