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名 称 |
アベサンショウウオ | ||
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学 名 |
Hynobius abei | ||
分 類 1 |
両生類 | ||
分 類 2 |
サンショウウオ目サンショウウオ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
特定せず | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
アベサンショウウオは環境庁による「両生類・爬虫類のレッドリスト」の中で絶滅危惧TA類として掲載され,また最近,種の保存法に基づく国内希少野生生物種に指定された非常に貴重な両生類である. 本種は日本固有種で,現在まで京都府丹後半島及び兵庫県北部にのみ分布が知られているにすぎず,生息地は非常に狭い範囲に限られている.今回の調査で,アベサンショウウオが福井県北部の湿地帯で新たに発見されたことは,京都・兵庫と福井県北部をつなぐ地域,すなわち福井県嶺南地方や滋賀県北部などにも,本種が生息している可能性が高いことを示唆している. 本県でのアベサンショウウオの繁殖期は12月中旬頃で降雪前に産卵が行われる.産卵は湧水がみられる湿地である.本種の卵嚢はコイル状であり,卵嚢外皮上には縦線が見られることが大きな特徴である. 幼生は2月頃に孵化し,初夏には外鰓が吸収されて変態し,それまでの水中生活から陸上生活へと移行する.変態後の成体は林床の落ち葉の下などで生活し,ミミズやクモ,昆虫などを捕食する. | ||
保護の現状 と留意点 |
本県でのアベサンショウウオの生息地では,現時点で本種の絶滅に結びつくような環境破壊はなされていない.しかしながら,伐採や土地開発などにより,湧水や池が破壊し,産卵や幼生の生活に支障をきたすこととなれば,容易に絶滅するものと考えられる. アベサンショウウオの生息地は非常に狭い地域であり,環境破壊の影響を受けやすい場所であることから,早急な生息地の保護活動が望まれる. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |