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名 称 |
ニクイロシブキツボ | ||
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学 名 |
Fukuia kurodai kurodai | ||
分 類 1 |
陸産・淡水産貝類 | ||
分 類 2 |
中腹足目イツマデガイ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
丸岡町:山竹田(431),越前町(旧越前町):梅浦(908) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
本種の模式産地は福井県丸岡町竹田(現坂井郡丸岡町山竹田)である.県外では京都府,石川県,新潟県,長野県,山形県,青森県などの主として日本海側で生息が確認されているが,近年,兵庫県でも生息が確認された.各生息地域では生息環境が破壊され個体数が激減してきている.県内でも1985年時には10ヶ所に生息が確認されたが,道路・林道整備や公園化のため生息地が破壊され,県内では2ヶ所のみとなった希少種である. 殻は卵状の円錐形.光沢のある赤褐色(肉色)で美しく,厚質堅固.殻表には弱く不規則な成長脈があり,螺状彫刻がやや明瞭に現れる.縫合は深く窪む.殻口は斜位で卵形.殻口縁は薄く多少反転する.内唇の一部は体層に付着する.臍孔は開口する.蓋は半透明革質で少旋型.胎殻は腐食し,残りの5層は丸味があることが多い.殻高9o,殻径5.4o,螺層は6層.軟体部は黄褐色.フクイシブキツボ(模式産地は福井県武生市神山ー現武生市小野町)は生殖器官など連続性があり類似種と考えられる. 生息地の環境は,山麓帯の流水の浸食により形成された岩肌の不整合面より流出するしぶきの飛び散る崖や滝壺の飛沫のかかるような,常に濡れているイラサク,ダイモンジソウ,ギボウシ,スゲ,ゼニゴケをはじめとする鮮苔類などの間に生息している.水温が低下する冬期間は水の流出する所に集まり,夏の渇水期に完全に水の流出が止まる生息地では落葉下に生息する | ||
保護の現状 と留意点 |
陸産貝類は一般的に食品対象物や愛玩動物とはならず,今までに特別な保護対策がとられたことはない.生息地が山地と平坦部との境界にあたる山麓帯の流水のしぶきのかかる崖であるために,人間生活との関わりが深く,開発の手が加えられやすい.生息地も改変が進み,南条町では砂防工事で生息地が消滅している.また,模式産地の丸岡町山竹田の一部は,民間業者の山土採取場所となり生息不可能な状態まで破壊されつつある.生息地の保護と広く生物の多様性の重要さを訴える必要がある.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |