福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
植  生
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 頭巾山ホンシャクナゲ群落
学   名
分 類 1 植生
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
名田庄村:頭巾山(1154)
選定理由 学術上貴重な種または個体の生育地
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  頭巾山(標高871m )は,京都府との県境にある若丹山地の西端に位置している.この山の尾根部には,土壌が浅く,年間を通じて風当たりの強い環境下におかれている岩角地が見られる.このようなところでは,ササ類の被度が高く,樹木はせいぜい高さ5m 程度までしか生長していない.山頂より北東に伸びる尾根の東側の急斜面上に,ホンシャクナゲを優占種とする低木林が成立している.ホンシャクナゲの他には,マルバマンサク,アセビ,ネジキなどが見られ,林床にはオオイワカガミ,ヒノキ,クロソヨゴ,トクワカソウ,アセビなどが目立っている.また,その周辺には,林間にかなりの頻度でホンシャクナゲを含むアシウスギ林,ブナ林,ヒノキ林も見られる.林内に生えるホンシャクナゲは,尾根部に比べて風の影響が少ないためか樹高5 〜6m にも生長している.このように大きなホンシャクナゲは,他ではあまり見られない.本地域のように個体数が多く,しかもサイズの大きなものが生育するシャクナゲ群落は,県内では珍しく,貴重といえる.
保護の現状
 と留意点
 一部が名田庄村の天然記念物になっていて,現在のところ良好な状態が保たれている.しかし,ホンシャクナゲは園芸的な価値が高いため乱獲などへの注意が必要である.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)