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名 称 |
冠者島の照葉樹林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
常緑広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大飯町:冠者島(1096) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
冠者島は,大飯町日角浜の沖にあり,大島半島に囲まれるように浮かぶ小さな島である.島は無人であるが,弁財天が祭られている.ここは,丹後半島と大島半島により冬の季節風が和らげられ,加えて海洋性の穏やかな気候のため,島内全域にわたり暖地性要素を豊富に含むスダジイ林,タブノキ林等の自然林が発達している.スダジイ林は,樹高15m 程度のスダジイに加え,カラスザンショウ,ハゼノキ,タブノキが林冠を形成している.林内にはヒメユズリハ,モチノキ,ヒサカキ,トベラ,ヤマザクラ,ヤブニッケイ等が見られ,林床はヒトツバ,ホソバカナワラビが優占し,他にテイカカズラ,ムベ,ツルグミ,ヤブコウジ,ヤブラン,ジャノヒゲなどが生育している.組成的にはスダジイ−ヤブコウジ群集に属する群落である.また,西斜面に見られるタブノキ林では,胸高直径30cm 程度のタブノキに加え,スダジイ,モチノキ,ヒメユズリハ,ヤブニッケイ等が林冠を形成している.林内にはヤダケ,ヤブツバキ,ヤブニッケイ,モチノキ,シロダモ,スダジイ,ヒメアオキが見られ,林床にはホソバカナワラビが優占する他,ムベ,イタビカズラ,オニヤブソテツ,テイカカズラ等が生育している.また,島内にはビワの自生が認められる他,ヒメユズリハ,ヒトツバ,ホウライカズラ等の暖地性の稀産植物も多く生育している.この島の森林は,若狭湾沿岸域に見られるスダジイ林やタブノキ林の原型とも言えるものであり,極めて貴重と言える. | ||
保護の現状 と留意点 |
若狭湾国定公園内に位置するため,よく管理され保存されている.無人ではあるが半島の集落からも近いため,釣り場として利用されることが考えられる.また,近年ではサギ類がコロニーをつくり,糞害のために枯れの目立つ樹木も見られる.今後,植生の現状を保存するためには,厳しい管理が必要と考えられる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |