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名 称 |
御嶽山のスダジイ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
常緑広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:鮎川町 御嶽山(843) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
御嶽山は,鮎川海水浴場と国道を一つ挟んだ真向かいにあり,標高95m の低い山である.面積は約8ha あり,頂上には神社の社殿が建っている.海岸に迫ったこの山は,常緑の自然林に包まれ,青い海を眼下に見おろす景観の素晴らしさから,人々から「神の山」として厚い信仰を受けてきた.この山の植物相は,スダジイ,モチノキ,ヒサカキ,タブノキ,イタビカズラ,テイカカズラなどの暖地性要素の植物が多い.本山は,全体がスダジイの純林に近い森林に被われている.本林分は,高木層では優占種のスダジイの他に,モチノキ,タブノキ,ケヤキが僅かに混生して林冠面を形成する.林間の亜高木層,低木層にはモチノキ,ヤブニッケイ,スダジイ,ヤブツバキ,ヒサカキが,林床の草本層ではテイカカズラ,イタビカズラ,ヤブツバキ等の常緑植物が生育する.構成種から植物社会学的にはヤブコウジ−スダジイ群集に属すると思われる.スダジイは最も大きいもので,胸高直径約50cm であるが,多くは胸高直径20 〜40cm で,全体として細い樹が多い.スダジイでおわれている林の中に,胸高直径約90cm ,樹高約15m のタブノキの大木が1 本立っているのがひときわ目立つ.タブノキはこの木を除けば,ほとんど見あたらない.また,この林の中で比較的多いのがモチノキで,中に胸高直径約60cm ,樹高約17m の大木もあるが,全体としては細い樹が多い.周辺の山々の植生が大きく改変されてしまった中で,御嶽山にスダジイ林が自然の状態で残っていることは極めて貴重である.かつてのこの辺りの山の植生を考察する上で興味深い. | ||
保護の現状 と留意点 |
社叢林として保護されてきたために,良好な森林として残存している.これだけまとまった形で森林が残存していることは貴重である.周辺は大きく改変され二次林化してきていることから,この山も伐採の対象にならないか懸念される.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |