福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
植  生
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名   称 金ヶ崎城跡のスダジイ林
学   名
分 類 1 植生
分 類 2 常緑広葉高木林
位   置
(2kmメッシュ番号)
敦賀市:天筒山 金ヶ崎城跡(805)
選定理由 自然植生もしくはそれに近い植生
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  金ケ崎城跡(90m )は,敦賀市北東部に位置する天筒山(171 ・3m )の海岸に突出した稜線上にある.この一帯は古生層の山塊で,近くの敦賀セメント採石場の石灰岩中からは古生代後期の紡錘虫を産出する.この一帯は,国史跡指定地であることから,森林植生がよく保存されており,特に金ヶ崎城跡から天筒山にいたる尾根沿いには老齢のスダジイの巨木からなる林が見られる.スダジイ林としては福井県では最も広範囲に残存しており,林冠には胸高直径50 〜60cm もあるスダジイが多く見られ,ヤブコウジ−スダジイ群集のモチノキ亜群集の林相を示す.林冠にはスダジイ,タブノキ,アカガシ,モチノキ,エノキ,カラスザンショウ等,林間にはヤブツバキ,ヤブニッケイ,サカキ,シロダモ,ヒメアオキ,ヒサカキなどの常緑樹の他,キンキマメザクラ,ユキグニミツバツツジ等,林床には,ヤブラン,イタビカズラ,ジャノヒゲビ,ベニシダ,オニヤブソテツ,コシダ等が見られる.この一帯の植物相には,スダジイ,タブノキ,アカガシ,ヤブニッケイ,モチノキ,サカキ,アセビ,シャシャンボ,イタビカズラ,ビワ,ハゼノキ等の暖地性要素,マルバマンサク,ユキグニミツバツツジ,キンキマメザクラ,ヒメアオキ,タニウツギ,ワカサハマギク等の日本海地域要素の植物が見られる.
保護の現状
 と留意点
 天筒山は全体が自然公園化されている.中でも金ヶ崎は桜の名勝地として市民に親しまれ,春には「花換祭」も行われている.スダジイ林は,現在のところよく保存されているが,桜が大規模に植えられており,自然保護と観光のバランスが保たれる必要がある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)