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名 称 |
栃ノ木峠のブナ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
冷温帯落葉広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
南越前町(旧今庄町):栃の木峠(646,683,684) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
栃ノ木峠のブナ林は,福井県と滋賀県との県境近くの標高800m 辺りに分布する.国道365号線の栃ノ木峠を越えて,滋賀県側へ少し入った所に,電力会社の高圧線管理道の登り口があり,その管理道を歩いて1 時間ほどで,このブナ林へたどり着く.本林分は,比較的緩やかな斜面に発達する.ブナの樹は,中には胸高直径70cm ぐらいのものもあるが,おおむね胸高直径30cm ぐらいの若い樹が多い.林冠を形成しているのはほとんどブナで,僅かにミズナラ,イタヤカエデが混生する.林間には,オオバクロモジが高密度に分布し,他にオオカメノキ,ユキバタツバキ,ハイイヌガヤ,エゾユズリハなどが混生する.林床には,ヒメモチ,ハイイヌツゲ,ユキバタツバキ,ツルシキミ,ヒメアオキ等の常緑広葉樹の他,チゴユリ,ノギラン,ヤマツツジ等が生育する.林間にユキバタツバキが高密度に生育する林分も認められ,生態地理学的に興味のあるところである.ヒメアオキ−ブナ群集の下位群落にユキツバキで区分されるユキツバキ亜群集があるが,本林分は,同亜群集のユキツバキがユキバタツバキに置き換わったものであろう.栃ノ木峠のブナ林近くの尾根の見晴らしの良いところからは,国道365 号線を挟んで滋賀県側の山にゴルフ場が,また福井県側にスキ−場が造成されているのが一望でき,今日の自然破壊,森林破壊の典型を見ることができる.この景観は,なお一層栃ノ木峠のブナ林の貴重さを際立たせている. | ||
保護の現状 と留意点 |
全体として若いブナの樹が多いが,安定したブナ林として残存している.しかし,ブナ林の周辺は代償林化が進んでいることから,現存するブナ林も伐採の対象にならないか懸念される.今後とも本林分が保全されることが望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |