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名 称 |
高塚の春日神社のスダジイ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
常緑広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
あわら市(旧金津町):高塚(542) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
本神社は,金津町の中心街から北へ1km ほど離れた,牛ノ谷峠に通じる県道153 号線沿いの低い丘陵地にある.道路から130 段ほどの急な階段を登ったところに拝殿があり,西側はスギ植林や竹林となっているが,東側には,面積約0.5ha のスダジイ林が県道に沿って帯状に残されている.坂井平野の所々の神社にはタブノキやスダジイを優占種とする常緑広葉樹林が残されているが,その中でもこの社叢林は比較的規模の大きなものである.また,この丘陵地には,神社の50m ほど北にもスダジイ林が見られることから,一帯は,現在,大部分がスギ植林地となっているが,最近までスダジイ林で被われていたことが伺える.本社叢林中には,胸高直径50 〜80cm ,樹高18m 以上におよぶスダジイの大木が50 本以上も生育している.もっとも大きなものでは胸高直径1m ほどにもおよび,階層構造も発達していることから,長期間自然更新下で推移してきたものと考えられる.本林分の構成種は,林冠を形成する高木層に,優占するスダジイの他,モチノキ,ソヨゴなどが僅かに混生し,林間の亜高木層,低木層ではモチノキ,シラカシ,ヒサカキ,ヤブツバキ,ヒメアオキなどの常緑広葉樹の他,ウリカエデなどが見られる.林床の草本層には高い常在度で出現する常緑植物のヤブコウジ,リュウノヒゲ,シシガシラ,ベニシダなどがある.全体的に暖地性の植物が多く,スダジイ,モチノキ,ヤブコウジなどの常緑植物を標徴種とするヤブコウジ−スダジイ群集の組成を示す. | ||
保護の現状 と留意点 |
現在,神社周辺では,植林が進んでいることから,それが社叢林に及ばないか懸念される.植林が社叢林におよばないようにするとともに,周辺環境も含めた保護の手だてを講じることが必要と思われる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |