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名 称 |
剱ヶ岳のブナ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
冷温帯落葉広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
あわら市(旧金津町):剱ヶ岳(430) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
加越山地の北端は標高500 〜600m の低山地であり,剱ケ岳(568m )はその中ほどに位置する.この辺りの山は低山地のため,昔から人の手が入り原植生からは大きく変わってきている.最近では,森林公園としての整備が進められている.剱ケ岳の山頂へは,金津町清滝にある清滝ダムの登山口(240m )から登るのがよい.クリ−コナラ林,ミズナラ林,ブナ林と変わる垂直分布が比較的明瞭に見られ,また,乾燥した尾根筋にはアカマツ林が分布している.登山道を登ればこのような植生の移り変わりを観察できる.ブナ林は剱ケ岳の山頂付近の金津町側に小面積(約1ha )ながら残されている.このブナ林は,福井県のブナ帯の下部に位置する林として,また,ほとんどがマツやスギの植林,コナラ二次林である坂井郡に残されたブナ林として,貴重なものである.昭和61 年の調査では,ブナ−マルバマンサク−トクワカソウ群落として報告されているが,現在は亜高木層や低木層が伐採されて,ブナの高木だけの林になっている.当時の調査では,林間にはオオバクロモジ,マルバマンサク,ハウチワカエデ,エゾユズリハが,林床にはトクワカソウが見られ,ヒメアオキ−ブナ群集に属していた林と思われる.現在は,草本層にトクワカソウがほとんど見られなくなり,ヤマウルシやサルトリイバラ,アクシバなどが多くなった.亜高木層や低木層がなくなり,日当たりがよくなったために林床構成種の組成が変化したと考えられる.ここから北の刈安山(548m )へ続く稜線の東の石川県側にも,ところどころに小規模なブナ林が残っている. | ||
保護の現状 と留意点 |
ブナ林の亜高木層や低木層の伐採は,昭和63 年頃,林道の整備にともなって行われたと思われる.森林の階層構造が見られなくなり残念であるが,今後,人為を加えないことにより遷移し,将来,復元されていくことが望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |