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名 称 |
モッカ平の森林 | ||
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学 名 |
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分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
冷温帯落葉広葉高木林 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:下若生子(166,190) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
モッカ平は真名川支流のモッカ谷の源流部に位置している.平成7 年にモッカ平への林道が開設されたため,人々が車で容易に立ち入ることができるようになった.この辺りの地形は,名前の通り平らな緩斜面が広がり,小さな谷が入り組んでいるのが特徴である.標高約800m 近くまでは,ブナ,ミズナラ,クリ,コナラ,イタヤカエデ等の二次林で,一部はスギ植林となっている.標高800m 以上になると,林道沿いにミズナラ林が比較的広い面積にわたって見られる.このミズナラ林は,高木層はほとんどミズナラが占め,他にブナ,イタヤカエデ,アズキナシなどが僅かに混交する.林間にはオオバクロモジ,エゾユズリハ,ナナカマド,リョウブなどが,林床にはコアジサイ,ハイイヌツゲ,ヤマソテツなどが生育する.乾燥しているところにはトクワカソウが多く見られる.標高が1000m 近くになるとブナ林となる.胸高直径が50 〜100cm ,樹高16m ほどもあるブナの大木がところどころに見られるが,昭和30年頃,この一帯のブナは伐採されたため,総じて若い樹が多く,林冠の開いた林となっている.このブナ林の林間にはブナ,ハウチハカエデ,ハクウンボク,オオバクロモジ,コミネカエデ,リョウブ,ウリハダカエデなどが見られる.林床には尾根沿いにトクワカソウが,斜面にはヤマソテツ,ハイイヌツゲ,シノブカグマ,アクシバ,ヒメモチ,ミヤマシグレなどが多く生育している.本地域の森林には,かなり人為の影響が見られるが,大面積が落葉広葉樹林として残されており,水源涵養等の環境保全や野生鳥獣の生息域として重要である. | ||
保護の現状 と留意点 |
県内の森林の多くは,伐採後はスギの植林地となっている.モッカ平にも伐採の手は入っているが,大きなブナが所々に残され,また,スギが植林されなかったためブナ林に遷移しつつある.しかし,最近,林道が奧まで造成されたため,今後伐採,植林が進むことが懸念される.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |