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名 称 |
取立山のミズバショウ群落 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
勝山市:北谷町 取立山(132) | ||
選定理由 |
学術上貴重な種または個体の生育地 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
取立山は,勝山市の北東部,滝波川源流にある加越山地の一峰である.標高は1307.2m で,山頂は石川県境の稜線から西へ突出した尾根上にある.ミズバショウ群生地は取立平の県境稜線上の鞍部(1240m )にあり,その大部分は南東の石川県側に形成されている.ここへ到達するには,福井県側から3 つのルートがあり,5 月の開花期の頃には登山者で賑わう.ミズバショウが群生する湿地は,面積約0.5ha で花の咲く頃には雪解け水が流れるせせらぎとなり,そこに2000 株ほどのミズバショウが群生している.湿地の周辺には,マイヅルソウ,ミツバオウレン,ミツバノバイカオウレン,モウセンゴケ,コバギボウシなどが見られ,また湿地を囲む緩やかな斜面には,ノリウツギ,ハイイヌツゲ,ショウジョウバカマ,コシンジュガヤ,コシノサトメシダなどが生育する.湿地を涵養する水は,吹き溜まった雪が4 〜5 月にかけて少しずつとけたものであり,6 月の梅雨の季節が終わるまで湿地を潤している.本群生地は1965 年に発見され,当時は本種の南西限とされていた.しかし,その後,県内の大芝山,平家平など,岐阜県の蛭ヶ野高原等で自生地が確認され,更に1975 年には兵庫県大屋町で自生地が発見されたため,南西限の位置はかなり移動した.いずれにしても北方系の種であるミズバショウが,本地域に群生していることは,植物地理学上重要と思われる. | ||
保護の現状 と留意点 |
奥越高原県立自然公園第2 種特別地域周囲のブナ林の伐採は,昭和40 年代まで行なわれていたが,その後の植林の進捗は遅く,石川県側のみ植林されている.従って取立平は今なお萌芽林の様相を呈している.幸い石川県側のスギの植林のお陰でなんとか水源は維持されている.ただ心配されるのは,登山客が多くなり,踏圧等による生長阻害が見られることである.勝山市もロ−プを張ったり,道の補修をして保護に努めている.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |