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名 称 |
下打波のトチノキ林 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:下打波(119,120,140,141) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
下打波地区は,国道158 号線の大野市勝原から打波川沿いに約4km 上流に入ったところにある.この土地の周囲の山々は大変峻険であるために,周辺の森林は崖崩れや雪崩などを防止する保安林として大切に保護されてきた.その結果,集落の背後および対岸の斜面にトチノキの自然林が残っている.トチノキは,昔から材木が木地として利用されるだけでなく,種子は食用として採集されてきた.本地区のトチノキ林の高木層は植被率が90%で,トチノキが優占し,その他にケヤキ,イタヤカエデ等が僅かに混生する.トチノキは胸高直径が約1m ,樹高約18m におよぶ巨木が揃っている.亜高木層には,メグスリノキ,サワグルミ,ツリバナ,チドリノキなど山地渓畔や渓谷崖錐斜面に成立する湿性林の要素が多く生育している.特にメグスリノキが多いのが特徴的である.低木層では,ユキバタツバキ,チャボガヤ,ハイイヌガヤが高密度に生育し,植被率は80%以上に達する.草本層は疎らだが,その中で多いのはフッキソウ,ヒメアオキ,ジュウモンジシダ,ハイイヌガヤ,チャボガヤなどである.これらの構成種から植物社会学的にはジュウモンジシダ−トチノキ群集に属すると考えられる.一般にサワグルミ林やトチノキ林は,谷川や渓谷沿いの狭い範囲に分布するが,下打波地区では斜面の広い範囲に森林を形成している.また,林床には県内では分布地の少ないオオユリワサビ,フタバアオイなどがよく見られる.本地区の白山神社境内には,県指定天然記念物となっているカツラの巨木(幹周り13.9m ,樹高約28m ,樹齢約1000 年)があり,村人からも神木として保護されている.この樹は,1991 年に環境庁が発行した巨樹・巨木林調査報告書によれば,カツラとしては全国で第3 位にランクされている. | ||
保護の現状 と留意点 |
現在,保安林に指定され保護されている.トチノキの巨木が生育する林としては本県の代表的なものであり,大変貴重である.今後とも保護されることが望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |