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名 称 |
経ヶ岳の植生 | ||
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学 名 |
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分 類 1 |
植生 | ||
分 類 2 |
冷温帯落葉広葉高木林・低層湿原 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市,勝山市:(115,136,137) | ||
選定理由 |
自然植生もしくはそれに近い植生、学術上貴重な種または個体の生育地 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
経ケ岳(1625.2m )は,大野市街の北に位置し,県境を除く山岳の中では最も高い高度を有する山である.地形の上でも変化に富み,その斜面は概して急峻で,頂上付近はカルデラ状の地形を呈している.火口原跡(1330m )とされているところは,通称「池の大沢」といわれ,湿原となっている.また,山麓には山体崩壊による岩屑なだれにより形成された六呂師高原および塚原野台地が広がっている.経ケ岳における安定したブナ林は,標高900〜1400m に分布する.その中でも池の大沢付近と,通称ブナ平(1000m )といわれているところにはよく発達したブナ林が広がる.池の大沢付近のブナ林は,林冠を形成するのはブナ,ダケカンバで,林間にはヒナウチワカエデ,オオカメノキ,ハウチワカエデ,オオバクロモジ,林床にチシマザサ,オクノカンスゲ,シノブカグマ,シラネワラビ等が見られる.また,ブナ平のブナ林は,林冠を形成するのはブナの他にサワグルミ,トチノキなどの沢地を好む樹木が出現し,林間にはオオバクロモジ,コハウチハカエデ,オオカメノキ,ヒメモチなどが見られ,林床にはオクノカンスゲ,チシマザサ,ハクサンカメバヒキオコシなどが高頻度で出現する.池の大沢には,ミヤマホタルイ,カラマツソウ,エゾシロネ,オニシモツケ,コバイケイソウ,ミヤマイヌノハナヒゲ,ムツアカバナ,ヌマハリイ,蘚類のハクサンミズゴケ,オオミズゴケなどの湿性植物が生育する.また,樹木としてはオノエヤナギ,ノリウツギ,サビバナナカマド,ミヤマカワラハンノキなどが生育する.本地域には,タカネマツムシソウ,ツガザクラ,コシノヒガンザクラ,オオシラヒゲソウ,ノリクラアザミ,ムツアカバナ,ヒロハスゲ,リョウハクトリカブト,ミヤマホタルイ,クロクモソウ,ハクサンボウフウなど,本県で分布が限られている希少種も多く見られる. | ||
保護の現状 と留意点 |
池の大沢を含む山頂付近は,白山国立公園第3 種特別地域に指定されている.近年,広域基幹林道が施設されたことから植林化が進み,ブナ林とそこに生活する動植物への影響が懸念されている.また,池の大沢では,登山者の踏みつけにより湿原植生が破壊されつつあるため,歩行範囲を定める等の対策が望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |