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ナホトカ号重油流出事故による水鳥救護の記録

−放鳥−


放鳥地の選定

通常、保養された野生鳥類は、回復後、元の場所に放すことが良いが、今回のナホトカ号の油流出事故では、日本海沿岸に汚染が拡大する恐れがあり、放鳥後に再度被害に遭う可能性が高いために代わりの放鳥場所が検討されました。

その結果、以下の理由で苫小牧勇払海岸が放鳥場所として選択されました。



ウトナイ湖サンクチュアリ
でのリハビリテーション

ウトナイ湖サンクチュアリでのリハビリテーションと放鳥

北海道苫小牧のウトナイ湖では、福井県、石川県で保護された油汚染水鳥の、放鳥活動が実施されました。(財)野生動物救護獣医師協会、野生動物救護研究会と(財)日本野鳥の会が協力して行ない、道内を中心として、全国各地からの一般および獣医師のボランティア活動が行われました。参加したボランティアは約160名、物資などで援助をいただいた方も300名(団体)を越えました。

1月14日から2月24日の期間中、計12種149羽の水鳥を福井県および石川県から受け入れました。福井県からは計10種38羽を受け入れ、そのうち31羽を再び海に帰すことができたましが、残念ながら4羽が死亡してしまいました。


北海道勇払海岸での放鳥

放鳥にあたっては、以下の基準を設定しました。

この基準を満たすまで、健康管理、再洗浄、水浴といったリハビリテーションを行ないました。特に再洗浄はほとんどの個体について行ないました。

基準を満たした水鳥は、速やかに放鳥を実施しました。放鳥はできるだけ同種の鳥がいる海域で、かつ状態の悪くなった場合に陸上に上がれるように、アビ類、カイツブリ類は、ウミスズメ類は砂浜で、カモ類は岩場のある海岸で、またウミネコは漁港近くで行いました。

放鳥される個体には、再回収の際の識別のために標識の装着を行いました。そして、その後は毎朝付近の海岸線でのパトロールを行ないました。



保護回収 [image] 洗浄治療 [image] リハビリ [image] 放鳥
援助物資

(出典 「ナホトカ号重油流出事故による 水鳥救護の記録」 1998年3月 油汚染水鳥救護福井の会)
福井県自然保護課