表 題 |
福井県織田山鳥類観測ステーションにおけるカシラダカとアオジの捕獲個体数の変動とその要因 |
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著者名 |
大迫義人 |
掲載巻 |
Ciconia Vol.8 |
発表年 |
1999 |
分 類 |
鳥類 |
要 約 | 福井県にある織田山鳥類観測ステーションでの1973〜1996年度のカシラダカとアオジの捕獲個体数の変動について,全国,富山県とを比較し,その要因について分析・考察してみた.富山県にある婦中鳥類観測ステーションでは,2種ともその捕獲個体数が徐々に減少していたが,全国と織田山鳥類観測ステーションでは,カシラダカの捕獲個体数は減少し,アオジのそれは増加していた.織田山鳥類観測ステーションのある織田町とその北に位置する福井市での伐採面積は徐々に減少しており,それにともなって低木林面積も減少していた.カシラダカとアオジの1日当たりの捕獲個体数は,その年度の伐採面積または低木林面積と有意に,それぞれ正と負の相関があった.織田山鳥類観測ステーションのように,周辺を山林に囲まれている場所では,それまで山林であった環境が伐採によって,一時的に,開放的で明るい環境に変化すると,その環境を好むカシラダカの個体数が増え,代わって暗い環境を好むアオジの個体数が減ったと考えられる.ところが,婦中鳥類観測ステーションでの両種の捕獲個体数の変動は異質であり,その要因についての分析が待たれる. |