表 題 |
福井県金津町におけるヒダサンショウウオの分布とその生息環境 |
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著者名 |
川内一憲・川内基範・大迫義人 |
掲載巻 |
Ciconia Vol.7 |
発表年 |
1998 |
分 類 |
両生類・爬虫類 |
要 約 | 福井県坂井郡金津町において,1994年に,ヒダサンショウウオの分布・生息状況と変態の時期について調査を行なった.本種の幼生が確認された地点は,標高60〜19Omで,日照の少ない,水深0.5〜6.Ocm,川幅1.5〜5.Om,流れ幅0.9〜2.3mの小さな川の岸近くであった.また,川底が藻類に覆われシルトが付着していない,2〜140cm径の大小の亜角礫でできており,水温は12.0〜18.5℃で,濁りがなく,水流が2〜15cm/sの弱い流れであった.そして,幼生の餌となりえるカワゲラ類,カゲロウ類,トンボ類,ヒル類も観察された.一方,分布の確認されなかった地点は,比較して,標高が低く,地形は片側が斜面でその反対側は平坦な荒れ地や耕地整理された水田に面しており,川幅と流れ幅が狭く水量が少なかった.また,底質は砂,泥,3cm径以下の砂利で,シルトが存在し,藻類が付着していなかった.本種の変態の時期は8月中旬と推定された.本種の生息のためには,溶存酸素が多く,かつ日陰となる大きな石のある渓流の産卵場所とそこに幼生の呼吸を阻害するシルトが存在しないことが必要であると考えられる. |