表 題 |
福井県におけるツキノワグマの生息環境と分布 −1990〜1996年− |
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著者名 |
大迫義人・多田雅充 |
掲載巻 |
Ciconia Vol.6 |
発表年 |
1997 |
分 類 |
哺乳類 |
要 約 | ラジオテレメトリー,聞き取りおよびフィールドサインによる調査で得られた情報を基に,福井県におけるツキノワグマの生息環境を分析し,その分布範囲を推定した.計1,179個の2kmメッシュのうち249メッシュ(21.1%)で生息が確認された.生息情報の得られたメッシュの平均標高は,0〜1,300mの範囲,なかでも0〜700mの範囲で多かった.その期待値に比べ,生息情報のある,標高0〜50mでのメッシュ数は有意に少なく,標高150〜200m,200〜250mおよび250〜300mでのメッシュ数は有意に多かった.また,そのメッシュの優占植生は,多い順にスギ植林,コナラ群落,アカマツ群落,水田,クリーミズナラ群落,ブナーミズナラ群落などの計18種類であった.これらのうち,標高700m未満では,期待値よりも有意に,生息情報はスギ植林で多く,水田で少なかった.これらの分析結果と主要な餌植物の分布から,本種は,本県の嶺北地方と嶺南地方で,それぞれ594メッシュの2,109.78km2,195メッシュの692.60km2の範囲に分布していると推定された. |