Ciconia (福井県自然保護センター研究報告) データベース

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表 題 福井県におけるツキノワグマの捕獲個体数の経年変化
著者名 大迫義人
掲載巻 Ciconia Vol.5
発表年 1996
分 類 哺乳類
要 約   野生動物の生息の状況を明らかにするには,個体群の生息分布,生息環境,行動圏や個体群動態などの基礎資料が必要である(Baileyl984).特に,個体群の生物学的変数がわかれば,生息個体数の動態を予測でき,保護・管理対策を立てる上で有用である(たとえば大迫・多田1982).しかし,生息密度が低かったり,直接観察が困難なツキノワグマ Ursus thibetanus は,これらの資料の収集が難しく,かつ,たとえラジオテレメトリ一法による追跡が行なわれても,調査個体数に限界があるために平均値を求めることも困難である(たとえば羽澄ほか1981,野崎・水野1983,米田1990,大迫1995).それを補完するために,捕獲された個体の情報が役にたつ(たとえば花井・桜井1974,花井1975).
 福井県では,本種の狩猟および有害駆除による個体数を集計してはいるが,それらについて分析を行なってこなかった.報告の信頼性に問題は残るものの,現在までの捕獲状況を整理しておくことは,本県における本種の保護・管理の方向性を考察する上で意味がある.そこで,1946年から1992年までの狩猟統計をもとに福井県における捕獲個体数を全国と比較して分析してみた.

Copyright (C) 福井県自然保護センター
出典「Ciconia(福井県自然保護センター研究報告)」(福井県自然保護センター発行)