要 約 |
鳥類相調査において効率のよい日数と時期を検討するために,1992年に福井県鯖江市の孤立丘陵である西山公園において,ラインセンサス法によって周年記録される鳥類種を明らかにして分析・考察してみた・計280日間の調査で計13目28科80種の鳥類(出現種)を記録し,そのうち計5目17科36種の鳥類(生息種)が生息していると考えられた.月の出現種をすべて記録するには平均21.5±5.1(SD)日間かかり,月の生息種をすべて記録するには平均16.0±6.9(SD)日間かかった.年の出現種のすべてを効率よく記録するには,1月に22日間,3月に28日間,4月に23日間,5月に25日,9月に25日間,10月に30日間,12月に14日間の調査を行なうとよかった.また,年の生息種のすべてを効率よく記録するには,1月と5月にそれぞれ10日間の調査を行なうとよかった.もし,繁殖と越冬している鳥類だけを明らかにするのであれば,渡りや移動の少ない6月と12月にそれぞれ3日間と9日間の調査を行なうとよかった.今回の分析結果は,福井県の平野部にある丘陵地での例であり,他の地域や環境でも同様の調査・分析を行ない検討する必要がある. |