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●種の特性
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殻長60 〜70mm 前後の長卵形の淡水二枚貝.殻は黒色で,二枚の殻のつなぎ目が前縁に極端に片寄り,後縁は波うったように見え,分枝状の放射肋が認められ,擬主歯と後側歯のみで前側歯がない.内面は真珠光沢.
緩やかな流れのある小河川や農業用水路,湖沼等の砂泥底に生息.清浄な水域を好み,幼生はコイ科やハゼ科に寄生し,タナゴ類の産卵母貝になる.
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●生息状況
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本州,四国,九州の河川や用水路に,飛び飛びに分布する日本固有種.県内では九頭竜川水系の本流と足羽川,日野川,三方湖,久々子湖で生息確認記録があるが,近年,急激に分布域が狭められている.
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●存続を脅かす要因
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移動分散能力が低いため,河川改修等による成貝の生息場所の消失が主な要因.また,生活史の初期段階の寄主となるコイ科,ハゼ科,産卵母貝となるタナゴ類の減少も要因である.
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●参考文献
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紀平 肇.1990 .カタハガイ.琵琶湖・淀川淡水貝類.88- 89 .たたら書房
上西 実.1995 .カタハガイ.日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料.U巻:7- 12 .日本水産資源保護協会.
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